ストーリーが気になり、最後は睡眠時間を削ってまでクリアしました。
しかし、その結末も含めて、エンドロールを眺めながら、押し寄せてきたのは徒労感のみ。
主人公はヒーローにあらず、救うべくは世界にあらず、戦うべくもゾンビ(感染者)にあらず、というニヒリズムが時流的に受け入れられやすく、そこにリアリティを見出す心理も分からなくはないのですが。
引き込まれるのは、ゲーム性ではなく、息をつく間もないイベントとその演出です。
「美麗なグラフィック」と「1本道のストーリー」の「ムービーゲーム」は、ダメな国産RPGの代表的な特徴だったと思うのですが、海外メーカーがやると「神ゲー」扱いになるのですね……。
そして「まるで映画のような」という賛辞も、今さらそれはない気がしますし、舞台はそのまま『トゥモロー・ワールド』や『ザ・ロード』なので、それなら映画を観ればいいかなと思います。
ゲーム性は、愚直なまでに『バイオハザード』と『メタルギア』で、安定した面白さです。
ただ、やっぱり、そうなると作品の差異として、ストーリーがより重要になるわけでして。
序盤は演出のおかげですごく盛り上がるのですが、進めて行くうちにゲームの枠組みがクッキリとしすぎてしまい、すべての人物が哲学的ゾンビに見えてきます。
なので、ストーリーにはまったく感動しませんでしたし、むしろ憤慨しました。
唯一の良心は、自ら命を絶った人たちが残した、物言わぬ声だけでしょうか。
あと山寺宏一さんの日本語吹き替えボイスと。
「神ゲー」と言われている本作ですが、私は演出だけを評価します。ストーリーは最低点。